Q. 病名だけで漢方を選べますか?

 A. 選ぶ事は出来ます。ただし、それは漢方治療ではありません


 今の日本では、2つの使い方がされています。
 一つは、漢方的な診断と理論に基づいて使用する方法
 もう一つは、西洋医学的な診断と理論に基づいて使用する方法

 どちらにも、長所と短所があります。


 1.漢方的な診断と理論に基づく場合

   長所  効き目が良い
        副作用が殆どおこらない
        自然との調和を大切にしているので、心の癒しにもなる
        物事を多角的にとらえ、原因の原因まで考えるので根本治療がしやすい

   短所  漢方の理論や診断を身につけるのに少なくとも10年はかかる
        漢方の理論を患者さんに説明するのが大変
        気とか陰陽など、抽象的な概念が多いので、非科学的なイメージ




  2.西洋医学的な診断と理論に基づく場合

    長所 漢方の理論を知らなくても漢方薬が使える
        効能効果を説明しやすいく、患者さんも納得しやすい
         
 例えば、これは胃のくすり、これは肝臓の薬などと説明出来る
        統計処理が出来る 医薬品の認可を受けるには有効率などが必要
        検査結果などデータとして目に見えるので納得しやすく、科学的なイメージ

    短所 効き目が悪く、副作用が出る事がある
          副作用が出る事はありますが、それでも西洋薬よりはずっと少ないはずです
        病人を診ずに病気を診るという事になりやすい
        目の前にある事象にとらわれてしまうので、対症療法になりやすい


 例え使うのは漢方薬でも、2.のような使い方は、漢方治療ではなく、西洋医学の治療になります。

 どちらが正しいとか、間違っているという事はありません。

 ただ、その違いは大変に大きいので、漢方薬を飲んでいるから漢方治療を受けていると思わないでください。


漢方相談の杏村(あんずむら)